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2020/1 読書月記

月一で記録を残していこうと思いました。いつまで続くか分かりませんが

 

  • 他人の顔

他人の顔 (新潮文庫)

顔の社会的な意義云々よりも、この「持たざる者」特有の異常な執着にすごく身に覚えがあって痛々しかったです。「それ」について毎晩考え込み、こんなことは普通に生きていれば一切考えないのだろうと気づいて落ち込んだり、挙動不審になるほどに意識しているのにそんなことは気にしていないと強がってみたり。過去になんとか処理したはずの苦しみの残骸を掘り返されたような気分になりました。

 

  • The Mindbody Prescription

The Mindbody Prescription

精神的な問題が原因で起こる慢性痛のメカニズム・治療方法を解説した本。この本を読んだだけで、どんな治療を試しても効果のなかった長年の頸肩腕障害・腱鞘炎が急速に回復に向かっています。感謝しかありません。そのうち個別に記事を書きたいです。

 

  • 努力2.0

世界一のプロゲーマーがやっている 努力2.0

変化の激しいeスポーツの世界で一線で戦い続けるときど選手の努力論。

とても読みやすい本で、衝動的に買った後、その場で1時間ちょっとで衝動的に読みました。資格試験の世界で精神を削って戦っていた頃のことを思い出し、納得できる箇所も多かったです。

ゲーマーとしては読んでいて耳の痛いこともありました。自分の使っているキャラに調整が入った時、多くのプレイヤーはこれまで練習してきた戦術を捨てることができなくて、今までのムーブに「足す」方針で対応しようとする。でもそういうツギハギはだいたい非効率で、環境が変わったら、これまでの積み重ねにとらわれずにゼロベースで戦術を組み立て直した方が強くなれる。仮にそのキャラが初めからその性能だったなら、そんな動きはしないはず…。

私には格ゲーのことは何も分かりませんが、音ゲーでも「捨てるのがもったいない」という抵抗感から色々理由をつけて変化を避けてしまっている自覚があり、心に刺さった部分でした。

 

5分でわかれ!印象派

漫画で解説する印象派の歴史。現代の価値観に引きつけて説明してくれるので読みやすく、とても面白いです。

私は美術鑑賞が好きで10年くらい美術館に通っているのですが、別に絵に詳しいわけではなく、その時代における作品の意味や画家どうしの関係性などを考えたことはありませんでした。こうやって時代背景や歴史が分かると、美術館に行くのが劇的に面白くなりそうです。

これを読んだ後で思い返してみると、作品には画家の性格が色濃く表れているように感じます。マネの表現ははっきりしていて迷いがなく、ゴーギャンの作品からは強いメッセージ性を感じます。ルノワールの作品は温かく、人間が好きなんだろうなというのが伝わってきますし、シスレーの描く風景はいつも穏やかで落ち着いています。