明治神宮に併設された博物館で、ご祭神である明治天皇、昭憲皇太后にまつわる展示が行われています。
建物は鳥居を入ってすぐ、JR原宿駅の裏側あたりに位置しています。伝統的な日本家屋のスタイルで、豊かな森の中に埋もれるように建っています。
建物はガラス張りで、外からでもロビーや階段などの様子を伺うことができます。緑がガラスに映り込んで涼しげです。ロビーは地面から少し浮いていて、ちょっとした舞台のようになっています。
1階はロビーと常設展示室です。
中に入ってみると屋根の上半分もガラス張りで、窓と屋根の両方から緑が目に飛び込んできます。とても開放的です。
外からも見えたロビーは2面がガラス張りになっていて、まるで森林浴のような気分になれる空間でした。とても贅沢な眺めで、このベンチにぼんやりと座っているだけでも心が洗われました。
一方で緑が見える部分以外はマットに、最低限の装飾でまとめられています。あくまでも主役は周囲の木々であり、建物は一歩引く姿勢で作られているように感じます。
2階は企画展示室のあるフロアです。外から見えた階段を上がると、2階からも素晴らしい眺めが楽しめます。
1階と同じように、展示室手前のエリアはミニマルにまとまっています。
展示室は撮影禁止でしたが、明治天皇の乗っていた豪華絢爛な馬車や、明治神宮の季節ごとのイベントを解説するコーナーなどが見どころです。
どこから見てもまず豊かな緑が目に入る建物です。木々の中に隠れるように建ち、存在感を主張せず、歴史ある森の美しさを魅せるために作られた建築という印象でした。
ちなみに、駅を挟んで向かい側にはWITH HARAJUKUという複合施設が建っています。
明治神宮の大鳥居と境内の木々を単純化したようなデザインを大胆に配置し、人々が森の中でくつろげる環境を現代的な形で作り上げています。この建物からも、原宿という土地における明治神宮の存在の大きさを感じました。