自由な線で形作られた開放的なターミナルです。
入り口。不思議な形をしています。正面のガラスのドアからは室内に入ることができ、両端の木の通路を上がっていくとそのまま屋上のウッドデッキに行けます。
木の通路はうねるような形をしていて、道路の白線も面白い模様になっていました。
この通路を上ってまずは屋上に行きました。
ウッドデッキはとても開放的です。どこを見ても海が広がっていて、赤レンガ倉庫など横浜のランドマークを一望することもできます。
「クジラの背中」と呼ばれる有機的なデザインで、芝生が植えられているところもあり、まるで公園のようです。細かい線を繋げて作られたゆるやかなカーブが、人の座る場所や寝転がる場所を生み出しています。
このウッドデッキからターミナルの中に入ろうとすると、このようなスロープ状の通路を通ることになります。
この室内と屋上をつなぐスロープは見たことのないような造形で、どこを取っても本当に美しかったです。壁も床も天井も、水平・垂直なものは何一つありません。このように紙をぐしゃっと折って偶然できてしまったような形だけで構成されています。
室内に入ったところです。ロビーの天井はまるで折り紙のようでした。
施設内には船の乗り場のほか、イベントホール、レストランやカフェがあります。私が訪れた時はイベントホールで催事があり、とても賑わっていました。
レストラン周辺だけは通路が青色でライトアップされていて未来的でした。
船が間近で見られるカフェも人気でした。のんびりとロコモコを食べていると隣からちょうど船が出港していき、店内から皆で手を振って見送る感じになったりして楽しかったです。
このターミナルにはとても多くの人が詰めかけていましたが、本来の目的である船に乗るために訪れている人は少なく、のんびりと景色を眺めたり、催事やコンサートを楽しんだりしている人が大半のようでした。この大桟橋は、客船ターミナルというよりは公園のような場所になっているのでしょう。
「場」を作ろうと試みる建築作品は多いですが、それが成功している例は案外少ないように思います。実際に訪れてみると、ゆるやかな曲線のウッドデッキや芝生がとても気持ちよく、このターミナルが憩いの場として愛されている理由が体感できました。