先日、帰省のついでに訪れることができました。企画展もやっていたのですが、あまり時間がなかったので建築だけを見てきました…。
外観はこんな感じです。海に向かって張り出した大きなひさしが特徴的です。柱が手前側にあるおかげか、ひさしの下は守られた空間ではなく、外に対して開かれた空間という印象を与えます。
このひさしの間から見上げると、空が直線で鋭く切り取られていて、ここを訪れた人はこの先の開けた景色へと自然に誘導されていきます。
こちらはエントランスです。ガラスとコンクリートのボックスが複雑に折り重なる構成で、少し未来的な感じというか、このガラスの通路を通る人が浮いているかのように見えました。
エントランスを入るとすぐ、兵庫県立美術館のシンボルである円形テラスが現れます。
2Fのテラスから地下1Fの駐車場までを大穴が貫き、螺旋階段で上下に行き来できるようになっています。下から見上げると空がダイナミックな曲線で切り取られ、螺旋階段を昇り降りするとその曲線の形が少しずつ変わっていきます。
地下は駐車場です。大穴の底はまるで舞台のようになっています。
駐車場から上階を見上げた様子です。コンクリートを打つ精密な技術があるからこそ、このような美しい曲線、陰影ができるのだろうと思います。
この円形テラスを2Fまで上がって海側に出ると、唐突にキッチュな青リンゴのオブジェが現れます。下が空洞なので、なんだか空中にぽっと浮かんでいるように見えます。
この美術館は巨大な箱型の建物ですが、その重みをあまり感じさせず、こういった浮遊感、少し重力が薄まったような軽やかさが随所に漂っているのが不思議でした。
なお、兵庫県立美術館の隣には国際健康開発センターがあり、美術館のテラスからこの建物を見ることもできます。積み木を3個組み合わせたような形状のオフィスビルで、屋根が少し浮いているように見えるのがスタイリッシュです。ガラス張りのカーテンウォールがたっぷりと光を受けて輝いていました。