- GLITCH COFFEE & ROASTERS（神保町）
ここに書いているカフェの中で、個人的に味に一番感動したお店です。値段は高いのですが、スペシャルティコーヒーの豊かな味と香りを堪能できます。
コーヒーのフレーバーを表現する時、「○○のような香り」と書いてあっても、実際に飲んでみると「確かにそんな気もするような、しないような…？」という程度だと思います（少なくとも私は）。
しかし、ここのコーヒーは本当にそのものの香りがします。私はライチのフレーバーに惹かれてコロンビアのエルパライソという豆を選んだのですが、まるでライチの果実が目の前にあるようなジューシーな香りに驚かされました。ライチ以外にも、ピーチなど甘い香りが複雑に混じり合い、コーヒーとは思えないような豊かな香りの世界を楽しめます。
豆は7〜8種類から好きなものを選べます。シングルオリジンの浅煎りにこだわっていて、コーヒーというよりはフレーバーティーを飲んでいるような感覚かもしれません。
- REC COFFEE（水道橋）
こちらもスペシャルティコーヒーのお店です。上のGLITCHよりは値段が安く、気軽に楽しめます。
暑い日だったのでアイスコーヒーを頼みました。このGuji Shakissoという豆は甘みが強くまろやかな味わいで、アイスにしてもとても美味しかったです。感動したのでこの豆を買って帰ったところ、技術のない人間が家で淹れてもそれなりの再現度になったので良かったです（だいたい「家で淹れると何か違う」ということが多いのですが）。
- Bridge COFFEE & ICECREAM（浅草橋）
ここからはロケーションが好きだった店舗です。
Bridgeは、この地域に戦前から残るイーグルビルという建物をリノベーションしてできたカフェです。当時の最先端の耐火技術をもって作られた建築で、東京大空襲の時は周辺でこのビルのみが戦火を耐え抜き、ここに逃げこんできた多くの人を救ったのだそうです。
それから何十年も経った今も、このビルは変わらない姿で佇み、地域のシンボルになっています。細かく丁寧に貼られたタイル、特徴的な「イーグルビル」のフォントなどにレトロな雰囲気が漂います。
店内は開口部が広く、開放的な空間で、ゆったりとした時間が流れています。かつて人々の命を守る砦となった建物は、今は憩いの場となってこの地域を支えています。コーヒーとアイスクリームの組み合わせを推しているようです。
- 神田の家 井政（御茶ノ水）
カフェというカテゴリとは違うと思いますが、神田明神のすぐそばに江戸時代の商家の建物（千代田区の有形文化財だそうです）が移築されていて、ここの喫茶スペースで平日限定でお茶が頂けます。
そんなに大きくはないものの、実直で整った美しさのある建築です。喫茶エリアから見られる部分は1階の入り口のみで、ごくわずかなのですが、そこだけでもディティールの美しさを十分に楽しめます。
ここは玄関から一歩入ったところで、室内に2個目の玄関のようなひさしがあります。種類の異なる木材が組み合わされていて、細くゴツゴツとした木をそのまま使っているところが軽やかな印象で好きでした。
私が訪れたのは雛祭りの季節で、見事な七段飾りを眺めながらレモネードを飲んで一息つくことができました。至福の時でした。
