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横須賀美術館

海のすぐ側、絶好のロケーションに建つ個性的な美術館です。

www.yokosuka-moa.jp

 

この美術館は本館と谷内六郎館の二つの建物で構成されています。本館の方は海岸線と平行に建ち、地下に半分埋まっていて、谷内六郎館はそこから海に向かって突き出すような形をしています。

こちらは本館を見下ろしたところ。ガラスの箱の中に繭玉を収めたような二重皮膜構造になっています。

 

この繭玉にはところどころ丸い穴が空いていて、その穴の一つが本館への入り口になっています。これはエントランスから後ろを振り返ったところで、海が見えるのがとてもドラマチックです。

 

入り口以外にも壁面や天井にはランダムに穴が開いていて、そこからいろいろな景色が見えたりします。こちらの穴から見えるのはレストランのようです。



2階から入り口を見下ろしたところ。情報スペースと展示室が上下に重なるように配置されています。

なんとなく「不思議な空間だな」という感想が出てきます。どこから地下でどこが地上なのか、外に開かれているのか繭の中に守られているのか、自分のいる場所がうまく定義できない感じがします。もしかすると、私たちが普段建物を見る時に使っている物差し、階数や屋外/屋内などの概念が、ここでは意図的に曖昧にされているのかなと思いました。

 

2階から屋上に向かいます。二重皮膜部分は近づいて見ることができ、繭玉とガラスの間は互いを補強するような形で接続されていました。ここからも海が見えるのがいいですね。

 

ガラスの箱の上の部分は屋上広場になっていて、ここから見る景色はまさに絶景です。私が訪れたのは夕暮れ時だったので、少し空が赤みがかっていてとても綺麗でした。

 

 

最寄の浦賀駅からさらにバスに乗り継ぐ必要があり、あまりアクセスの良い場所ではないのですが、このロケーションだからこそ実現できる空間体験があり、唯一無二の美術館だと思います。

バス停の近くでは、夕焼けの空をバックに波が打ち寄せる美しい景色が見られました。