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江戸東京博物館

4月から長期休館に入るというニュースを見て、今のうちにということで行ってきました。

www.edo-tokyo-museum.or.jp

 

なんといっても、この四本足に支えられた展示室のインパクトがすごいですね。レゴブロックで作った四足歩行のロボットのようです。

洪水などの自然災害から作品を守るために展示室を持ち上げたのでは、という説を見たりしますが、そこまでしなくてもと思うくらいの高さがあります。

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直下から見ると、崩れ落ちてこないか不安になるほどのキャンティレバーです。

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この巨大展示室の下にある空間でまず目に入ってきたのが、クラゲのような不思議な形の休憩室です。どことなくレトロフューチャーを感じさせます。

直線で構成され圧倒的なボリューム感を誇る上空の展示室と、自由な形と軽やかな素材でできた休憩室が非常にアンバランスに思えます。

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そしてピロティの反対側に目を向けると、真っ赤な円柱が斜めに突き抜けた形のエスカレーターがあります。あまりにも唐突で、一瞬スパイダーマンの柄かと思いました。5F、6Fの常設展示室にはこのエスカレーターから入ることになります。

この建物は、エスカレーターだけでなく展示室の内部にも原色が大胆に使われています。上の休憩室もそうですが、あえて異質なものを差し込んで一種の緊張感を生み出そうとしているのではないかと思って見ていました。

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このエスカレーターは外から見るとやや奇抜ですが、中に入ってみるととても美しい空間でした。内側にも赤い金属が剥き出しになっています。

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こんな妖艶さすら感じさせるようなエスカレーターは他に見たことがありません。

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エスカレーターを下から見た様子です。モノトーンの空間に突き刺さるような鮮やかな赤が映えます。

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この赤いエスカレーターに乗って上階の常設展示室に入ってみると、外から見た通りの台形の巨大空間が遮るものなく広がっていて圧巻です。大きいということそのものが未知の空間体験を生み出しています。

展示室の中では、江戸時代の日本橋や芝居小屋などが実物大で再現されていて、まるで建物の中に一つの街があるようです。この実物大展示を室内に収めるためにあの巨大な展示室が必要だったのだとようやく理解しました。

 

この博物館は名前からして江戸時代をテーマにしているイメージが強いですが、その後、明治から平成までの文化を展示するコーナーもあります。こちらは高度経済成長期の団地の再現とのことで、ドラマで見た古き良き時代の暮らしが目の前に存在しているようでした。

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