旅行に行ってきたので、その話を。
金沢駅。有機的な構造、どっしりとした量感が印象的で、長い時間をかけて人の手で積み上げられた歴史の豊かさを象徴しているように思いました。
地下に降りるエスカレーターまで美しかったです。駅舎の延長として完璧な対称性を持ち、角は柔らかく丸められています。
金沢21世紀美術館。建物の外周を囲む芝生の緑を取り込んで、光のヴェールが折り重なったような繊細なグラデーションを見せます。
表参道のDiorを思い出しました(これもSANAAです)。
美術館の中だけでなく外にも様々なアートが展示されています。有名なスイミングプールは、上からも下からも見られます(下から見るには入場券が必要です)。
鈴木大拙館。日常から隔離されたような、整った静かな世界が広がっています。写真は入口から最初の展示室へと導く通路。ここを訪れた人がこれから深く自らの内奥へと向かっていくことを象徴するような、無駄を削ぎ落としたまっすぐな道です。
ここは「思索空間」、鑑賞者自身が思索に沈み込むための静謐な空間です。時々水面がピチャンと跳ねたりして、人の心の動きを見ているかのようです。
茶屋街。タイムスリップしたような街並みが広がっています。
いくつかお茶屋の内部を見学することができます。はっとするようなモダンな色使い、七宝焼のあしらわれた襖の引き手など、すみずみまで行き渡る美意識を感じます。