庭園美術館は、たまに建物公開ということで美術館の建物そのものをじっくり鑑賞できる展覧会を開催しています。これはかなり前の建物公開の時の話です。
外観は端正な印象です。手前のモコモコした植栽がかわいいですね。窓の上にある小さい通気口(?)には細かい装飾が施されています。
中に入ると驚くほど豪華絢爛な世界が広がっています。
ここは入り口すぐの部屋。真ん中の特徴的なオブジェは香水塔と呼ばれています。それ以外にも、オレンジの壁紙、ドアのガラスの装飾など個々の主張が強く、しかし不思議と噛み合っています。
ここのシャンデリアは装飾が細かく、とても美しかったです。
隣には小さなバンケットホールのような部屋があります。庭園の緑を眺めながら食事ができる贅沢な空間で、この時は建物公開期間ということでテーブルセッティングがされていました。現代の感覚だと披露宴の会場のようです。
1階から2階に上がる階段。たっぷりと取られたカーテンのドレープがクラシカルです。
階段わきの装飾は花をデザインしているものと思われます。
2階にもいくつかの小部屋があります。
ここは書斎です。真ん中の机はなんと回転するようになっていて、陽射しの変化に応じて向きを調整できるとのことです。
2階のベランダ。チェス盤のような床のデザインがモダンで、素材の高級感によって落ち着いた仕上がりになっています。
反対側の廊下。壁紙の繊細な色が楽しめ、奥に吊り下げられたペンダントライトもかわいらしいです。
こちらは浴室です。ブルー系の大理石が贅沢に使われた壁や浴槽のほか、床のモザイクタイルも見事です。
本館を出ると、建物はすっきりした印象の新館へと続いています。
新館展示室の天井はアーチを繋げた独特の形状をしています。アールデコの様式を引き継いでいて、本館との一体感があります。
新館にはカフェもあります。このケーキは香水塔をイメージしたものとのこと。繊細な食感が楽しめました。
ちなみに庭園美術館ということで、帰りは見事な庭園を楽しむこともできます。作品以外にもたくさん見所のある美術館です。