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浅草文化観光センター

雷門の目の前にある観光センターです。

 

外観。形の異なる平屋を縦に積み重ねたような形が特徴的です。

高層ビルのあるような土地柄ではないので、必要な高さを持たせつつ、周囲の建物とスケール感を揃えるためのアプローチだったものと思います。

 

ルーバーの角度やスパンはよく見ると階によって異なるほか、同じ階でも少しずつ変化がつけられています。

 

最上階は展望テラスになっていて、浅草一帯が見渡せるようになっています。

その下は展示スペースで、台東区についてのさまざまな展示があります。このフロアは光を遮るためのカーテンや金網など、細かいところに工夫を感じました。周囲の街並みの見え方がそれぞれ異なります。

 

その下の階には台東区の紹介映像の視聴スペースがあります。

フロアが階段状になっているのを見て、そういえばこの6階部分の平屋だけ床が斜めになっていたことを思い出しました。

 

ちなみに、階段に書かれている階数表示はよく見るとその階の平屋の屋根の形を表現しています。

 

7階から6階への階段は斜めですが、5階から4階は山の形になっています。外観が見えない室内においてもこの建物のコンセプトを意識させる演出です。

 

下に降りて2階は観光情報コーナーになっています。左の壁は口コミボードで、ここを訪れた人が台東区の好きなところを各々紙に書いて貼っているようです。

 

2階から1階に降りる階段。照明によって壁の凹凸が柔らかく浮かび上がり、とても美しい場所でした。

 

1階はインフォメーションセンターや両替所になっています。外光を取り入れた明るい空間です。

 

「日本的な平屋を積み重ねてビルを作る」というコンセプトを、特徴的な外観だけでなく、内部からでも感じることができる面白い場所でした。

このご時世で外国人観光客は減ってしまっていますが、また元の生活が戻ってきた時には、きっとこの建物が日本の美意識を世界に発信する場所になるものと思います。