手作り感のある不思議な建物が多く、とても面白かったです。
外観。「大地に楔を打ち込む」という本館の逆ピラミッドが遠くからでも見て取れます。
階段を上っていくと、この楔と目が合います…。
この壁は傾斜がきつく、近くで見るとかなりの迫力があります。下を歩く人間に覆いかぶさってくるようです。
中に入ってみると、当たり前ですが内壁が全部斜めになっています。
壁が斜めなのはまだ理解できるとして、階段や天井まで斜めになっているので、どこが地面と水平のラインなのか見失ってしまうような感覚に陥ります。常識を揺さぶるような建物です。
特に階段の踊り場が斜めになっているのは生まれて初めて見ました。転ぶ人が多いらしく、「斜めになっています!注意!」のような張り紙がありました。
ランダムな小窓。右上の方は塞がれているのか、光が入ってきません。
モダニズムというものから遠いところにいるイメージの吉阪隆正がコルビュジエの弟子というのは意外性がありますが、こういうデザインを見ると、彼が影響を受けたのはサヴォア邸ではなくロンシャン礼拝堂を生み出した方のコルビュジエだったんだろうなと感じます。
最上階にあったセミナールーム。あまり建築と関係ないですが、個人的にかなり気に入っている写真です。
セミナーハウスには、この有名な本館以外にもいろいろと不思議な建物があります。
この葉っぱの形はセミナーハウスのシンボルのようで、あらゆるところで使われています。ポップな色使いもかわいいですね。
二つの建物の屋根がギリギリまで近づき、独特のラインを描いています。
これは案外普通の建物かなと思いましたが、よく見ると床も天井も地面に対して水平ではありません。大教室なのかもしれませんが、それにしては逆に傾きが小さすぎる気もして、なぜこうする必要があったのかは分かりませんでした。この施設を見学していると謎だけが深まっていきます。
こちらは緑に囲まれた宿舎棟。環境は文句なしに良いのですが、建物にかなり年季が入っていて、実用に耐えるのかは微妙なところです。
部屋番号がアテネフランセと同じフォントです。他に本館のドアの取っ手のデザインなども共通していました。
宿泊棟ということで、所々に生活感があるのがいい感じです。ここを訪れた時は桜の季節でした。
とにかく普通でない建築をたくさん見ることができて刺激的でした。ジブリの映画に出てきそうな自然豊かな場所で、そういう意味でも来て良かったなと思いました。