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2021/5 読書月記

  • 世界の夢の集合住宅

世界の夢の集合住宅

19世紀から最近のものまで、欧州を中心とした世界中のデザイン性の高い集合住宅を紹介している本です。その建物の一番美しい場所を切り取った写真に、コンセプトや歴史的背景を解説する簡潔な文章が添えられています。

同じ「住宅」という種類の建物でも、学生寮、高齢者住宅などターゲットはさまざまです。入居者の属性や地域の文脈を汲み取り、制約条件すら魅力に変換して丁寧に作られた建築を見ていると、クリエイティビティの偉大さを感じます。

 

ポストモダン建築巡礼 1975-95 第2版

ポストモダン、いわゆるバブル期の建築について、まるでそこを訪れているような気持ちになって「巡礼」の擬似体験ができる本です。

バブルというのは、当時を生きていた人からするとバブル崩壊に至った後ろめたさがあるようなのですが、後世の人間から見るとひとつの文化として魅力的な時代だと思います。今ではあまり考えられないような独創的な装飾に度肝を抜かれたり、建築家の掲げる世界観を全身で表現するような作品があったりして面白かったです。

私が実際に見たことがあるのは、名護市庁舎、新宿NSビル、アサヒビール本社、東京都庁梅田スカイビルあたりです。特に名護市庁舎や梅田スカイビルには感動を覚えました。こんな素晴らしい建築を生んだ時代を日本はもっと誇っていいと思います。

 

Perfume COSTUME BOOK 2005-2020

Perfumeがデビューから15年間で着用した全衣装が載っています。

私はファッションには明るくないのですが、この本を読んで、ファッションのデザインにも(建築などと同じように)コンセプト、イメージソースがあり、それを形にするための高度な手仕事があるということを初めて知りました。また、ダンスに必要な肩まわりの可動性を確保したり、早替えのため上に別の衣装を被せて着てもフリルが潰れないようにするなど、デザイン性と共に高度な機能性も求められるようで、そういった衣装ごとのエピソードを読むのがとても楽しかったです。